マジでイケてる行政書士講座【ゆーき大学】レビュー

▶ 記事:オススメのYouTubeチャンネルにて紹介しましたが、私はメインの教材としてゆーき大学を受講していました。
著作権の関係で神ノートや特別講義の具体的な内容には触れられませんが、購入を検討されている方向けにレビューを記します。
想像以上に長くなってしまいましたが、どのレビューサイトよりも詳しく、かつ忖度なしで書いたつもりです。
あくまでも一意見ですが、参考になれば幸いです。
なお、▶ 記事:オススメのYouTubeチャンネルでもざっくりとした紹介をしていますので、先にそちらの記事を見ていただけますと嬉しいです。

概要

ゆーき大学は、完全非対面式のオンライン講座です。
講義は無料部分と有料部分に分かれており、無料部分はyoutubeで配信されているため誰でも閲覧可能ですが、有料部分である「特別講義」は有料受講者しか閲覧できません。

有料受講者にはオリジナルのテキストである「神ノート」を手に入れることができるのですが、現物が郵送されてくるわけではなく、なんと自分でPDFを印刷して製本する必要があります。
製本と言っても自分が使いやすいようにすればオッケーなので、そのままパラパラめくって使おうが何しようが自由です。
実用性を考えると、パンチで穴をあけてファイルに閉じていた方が多いのではないでしょうか。

どちらかというと大変なのは印刷の方です。
私は自宅にプリンターがあったのでそこまで苦労しませんでしたが、お持ちで無い方は結構大変かと思います。
コンビニで印刷するくらいならこの機会にプリンターを新調したほうがいいかもしれませんね笑

なお、教材はこれだけでは足りません。
大手予備校の様にワンストップな教材提供があるわけではありませんので、必要に応じて追加の出費をしなければなりません。
具体的には、神ノートはテキスト(いわゆる教科書)に該当するため、別途演習用の問題集がほぼ必須でとなります。
ゆーき大学の推奨テキストは合格革命の肢別過去問集であり、これと併せて学習していた方がほとんどでしょう。

また、予備校の様に、分からないところを先生に個別に教えてもらったり等はできません。
神ノートや講義に関する簡単な疑問点についてはyoutubeのコメント欄やメールで問い合わせると回答していただける場合もあります(実際、私は何度か問い合わせをしました)。

▼ お世話になった神ノート。私は二穴ファイルにとじ込み、科目ごとにファイル分けしていました。

 

良い点

ゆーき大学を受講して良かった点を3点紹介します。

1.圧倒的な分かりやすさ

このチャンネルの大きな特徴の一つとして、講師であるゆーき氏が司法試験を突破した弁護士であるという点が挙げられます。
大手予備校でも司法書士試験に合格している講師は何人かいらっしゃいますが、司法試験に合格した現役の弁護士が行政書士試験の講師業に参入するというのは、私が知る限りでは聞いたことがありません。
法律を真に理解されており、その理解の深さが講義にも表れています。

一例として憲法の講義をご紹介します。
憲法は条文がたった100しかありませんが、その分理解の深さが求められる科目です。
先生自身も「行政法の難易度を1とすると民法が3、憲法は5。この試験の最難科目である憲法は、肢別本を解くだけでは受からない。」と断言されていました。
そんな憲法について、先生の講義では、「そもそもなぜ憲法ができたのか?」「この条文はどういう目的で作られたのか?」「三権分立の意義について」などの導入部分から、非常に丁寧で熱の入った解説が展開されており、“覚えさせる講義”ではなく、“理解させる講義”を意識して作られています。
初学者が最も苦労するであろう判例の判旨の読み方についてもかなり詳しく解説されており、先生の法律に対する知識と理解の深さが感じられます。

私もおかげさまで憲法は得意科目となり、模試でも本番でも5問中4問以上は必ず取れていました。
なお、2021年本試験にて国会単独立法と国会中心立法の出題がありましたが、先生が講義にて解説していた箇所であったため、直ぐに正答を導くことができました。
講義は本試験までに繰り返し聞きまくっていたので、問題を見た瞬間に先生の声が脳内再生されたほどです笑
この問題は過去問や肢別本の知識だけでは解けない問題だったと思います。

受講前は「弁護士の先生だから説明が難しいんじゃないか?」と半信半疑でしたが、全くそんなことは無く、むしろ逆でした。
行政法の講義では、処分性のある行政行為のことを「ジャイアンみたいな行為」と例えたり、民法の講義では、第三者が被害を被ることを「激オコになる!」と表現するなど、要所要所で特徴的なキーワードとインパクトのある比喩表現を用いることによって、初学者にもイメージしやすいよう工夫が凝らされていました。
その一方、喋りはテンポが良く明瞭で、内容にも無駄がなく、話がまとまっていて、スーッと頭の中に知識が浸透していく様な感覚でした。
どのように教えるのが最も効率がいいか?という点にとことん拘って作られているなと感じます。
また、ユーモアや笑いが程よい頻度で盛り込まれており、見ていて飽きることはありませんでした。
「ただ勉強ができるだけの人は、教えるのが上手いとは限らない」「本当に賢い人は、教えるのも上手い」という格言がありますが、正にその通りだと思います。

2.極限まで効率を追求した無駄のない教材

試験範囲の知識を体系的に学ぼうとすると、まず購入するのは問題集ではなくテキストです。
しかし、市販の早稲田経営出版や伊藤塾のテキストは1,000ページ近くあり、これを初学者がやろうと思うと挫折してしまいますよね。
実は私もその一人で、実際にこういったテキストを購入しましたのですが、序盤で嫌になり、以降はほとんど開くことはありませんでした。
ゆーき大学の神ノートは、こういったテキストの無駄な部分を限界までそぎ落とし、真に必要最低限の知識だけを抜粋しています。

なぜそんなことができるのでしょうか?
それはこれまでに様々な法律の試験をクリアしてきた経験から、「どこが本試験で問われるのか?」を理解しているからだそうです。
過去問の中で「絶対に落とせない知識」と、「二度と出ない、いわゆるクソ肢」が仕分けされ、必要な知識のみが神ノートに記載されているとのこと。
「細かい知識や難しい判例に手を出すのではなく、必要な知識だけを確実に覚えれば合格できる」ということを繰り返し強調しており、講義の中でもこの真理を耳が痛くなるほど聞かされます。

加えて、学習の順序やナンバリングに関しても非常にこだわっており、初学者でも知識を整理しながら効率よく覚えることができました。
ナンバリングとは、資料や講義において番号を振って順序立てることです。
内容が同じであっても、ナンバリングが上手いか下手かによって受け手の理解度は全く違うものになるでしょう。
この点については先生自身も「ナンバリング能力については司法試験の論文でかなり鍛えられた。」と述べられています。
短時間で約1,500文字もの論述を求められる司法試験の論文試験においては、持っている知識をただ書き殴るだけでは採点の対象にすらなりません。
頭の中で情報を整理し、相手に伝わりやすい文章を作り上げなければならない、そういった厳しい試練の中で培われた文章整理能力が神ノートを生み出したのでしょう。
先生自身も相当な自信を持って提供している教材だと思います。

3.主要3科目以外の教材のクオリティの高さ

行政書士試験は科目数が多く、主要3科目である行政法、民法、憲法を除く商法会社法、基礎法学、一般知識はどうしても手薄になりがちです。
肢別本と過去問をやるだけで終える方が多いのではないかと思いますが、それだけだと不安ですよね。
かと言って市販の分厚いテキストを読み込むほどの余裕はありません。
いい感じに要点がまとめられていて、コスパよく点数を稼げれば・・・・

そんな中ゆーき大学では、これらの科目にも神ノートと特別講義が用意されています。
そのクオリティは非常に高く、サブ科目だからと言って全く手抜き感はありません。
要点がズバリまとめられていて、必要最低限の時間で知識を習得できるよう設計されています。

商法会社法については、捨て科目とする考えも一部にありますが、ゆーき大学を受講すれば、短時間で試験範囲を網羅できます。
「網羅できる」というのは、完璧な知識を得られるということではありません。
商法会社法は攻めの科目ではなく守りの科目、5問中3問の獲得を目指す方針です。
私はStudyPlusというアプリで勉強時間を記録していましたが、商法会社法については9月から勉強を開始し、ゆーき大学+肢別過去問集+ウォークも問で約25時間の勉強を行った結果、ズバリ目標としていた5問中3問正解することができました。
2021本試験の商法会社法が難化傾向であったことを踏まえると、この短期間でこの結果を出せたのはゆーき大学のおかげだと思っています。

一般知識については文章理解と、個人情報保護法分野に関する神ノート・特別講義が用意されています。
特に個人情報保護法については要点が的確にまとめられており、知識を整理しながら覚えることができました。
商法会社法とは異なり、足きりの怖い一般知識において、文章理解と個人情報保護法分野は絶対に落とせない重要科目です。
しかし、個人情報保護法分野については、意外にも市販でいい感じの教材が無いため、神ノートの存在は非常に大きかったです。
本試験では文章理解を3問全問正解、個人情報保護法分野は1問しか出題されませんでしたが、無事正解することができました。
なお、政治経済社会分野に関する神ノートや特別講義はありませんのでご注意ください。

基礎法学については範囲が抽象的なため対策が難しい科目として有名ですが、過去問と同じ知識を問われた問2「法令の効力」については、神ノートにバッチリ網羅されていたため正解することができました。
また、裁判員裁判制度についてもまとめられていたため、難問だった行政法の多肢選択、問41「裁判員裁判制度」はゆーき大学受講生には解きやすい問題だったと思います。
ここは司法の現場を経験されているゆーき先生の得意分野でもあるため、特別講義でも熱が入っていたのを覚えています。
難問のためさすがに全問正解は難しかったですが、問41のエ、「評決」については神ノートにきっちりと記載があったので確実に得点することができました。

これらのサブ科目について必要最低限の勉強時間で知識をまとめ上げることができ、その分主要3科目に時間を費やすことができるのは、ゆーき大学受講の大きなメリットと言えるでしょう。

注意点

今度は逆に、ゆーき大学を受講する際の注意点を3点に分けて紹介します。あくまでも「悪い点」ではなく「注意してほしいポイント」であることをご理解ください。

1.高額な受講料

全て揃えると10万円を超えます
う~ん・・・お世辞にも安いとは言えませんね(^^;)
一般的な社会人の方であれば用意できる金額かと思いますが、市販の教材と比較するとかなり高いのは事実です。
仮に資金的な持ち合わせがあったとしても、分からないものに対する投資としては多くの方が躊躇する水準と言えるでしょう。
後悔しないよう、購入にあたってはくれぐれも慎重な判断をお願いいたします。

2.講師との相性

これが最も重要なポイントになりますが、先生の講義はかなり好き嫌いが分かれると思います。
明瞭かつハキハキとした語り口調でとても聞き取りやすい反面、厳しいこともズバズバ言いますし、時には上から目線と取られるような表現もあります。
購入前に必ずyoutubeの無料講義を聞いて検討してください。

また、他youtube講師と比べて少々淡泊な印象です。
私は行政書士独学応援の佐藤氏のチャンネルも見ていましたが、タイプは正反対に感じました。
佐藤氏には生徒に対する“愛情”のようなものが感じられますが、ゆーき氏にはあまりそういったものは期待できません。
一例として、本試験の前日、ほとんどの行政書士試験対策チャンネルで試験直前の応援動画が上がっている中、ゆーき大学では動画のupはありませんでした。
この点は正直残念でしたね。。試験前日はメンタル的にかなり不安定になるため、一声欲しかったなと思います。
わたしはそういったビジネスライクな一面があると割り切って受講していたのでさほど気になりませんでしたが、そういった部分を重視される方にはお勧めできません。

3.絶対的な情報量の少なさ

前述のとおり、ゆーき大学の教材は無駄を極限までそぎ落とし、超効率的な学習を追求するものです。
神ノートに記載されている知識の量は、正直言って最初は心もとなく感じました。
私含め、ゆーき大学の受講者は皆「この量で本当に大丈夫なのだろうか」という不安に一度は駆られたはずです。
そのため私は自分で必要だと思う知識は神ノートに追記していましたし、そうしていた方がほとんどではないでしょうか。

しかし実際、私が神ノートに追記した内容についてはほとんど出題されませんでした。
本当に神ノートさえ完璧にすれば、知識面だけでいえば合格基準に達するのかもしれません(もちろん問題演習は必須です)。
決して適当に抜粋した内容を記載しているわけではなく、研究に研究を重ねてまとめられたノートなのでしょう。
自分の体は一つしかありませんし、時間は巻き戻せませんので、「神ノートの知識だけで本当に合格できるのか?」という命題は検証しようがありませんが、「神ノートに載っていない知識が出題されて落としても、合否に影響しない。細かい知識や難しい判例に手を出すのではなく、必要な知識だけを確実に覚えれば合格できる」というゆーき大学の真理を最後まで信じて突き進めるかが重要となるでしょう。

特選動画3選

ゆーき大学の受講を検討されている方は、まずはYouTubeの無料動画を視聴してみることをオススメします。
しかし、いざチャンネルを開いてみても色んな動画がゴチャゴチャと出てくるのでどれを見ればいいのか分からないですよね。
そんなあなたのために、個人的におすすめの動画を3つ選んでみました!
とりあえずこの3つを視聴しておけば間違いないと思いますし、先生との相性も見えてくると思います。
なお、サムネでは顔出していますが、動画中に本人の顔出しは一切ありません笑

 

▼ このチャンネル一発目の動画です。オリエンテーション的な感じなので検討している方には必ず見て欲しい動画になります。

 

▼ 講義動画一発目なので体験受講のつもりで見てみましょう。全くのゼロからだった私の行政法の勉強は、この動画から始まりました。

 

▼ 珍しく自分語りが長く収録されている貴重な動画。先生の人柄を知ることができ、個人的には一番好きな動画です。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?
長くなりましたが、一つの結論として私自身はゆーき大学を受講してよかったと思っています。
しかし、最低限の出費で合格を目指している方や、講師との相性が悪い方にはお勧めできません。
特に後者はとても重要で、講師に好感を持ち、1年間信じて突き進めるかどうかは合否に直結すると思います。
信用できなければ勉強方法に迷いが生じ、モチベーションも低下してゲームオーバーへ一直線となるでしょう。

最終目的は皆さんが行政書士試験に合格するとことであり、私はゆーき大学の回し者や信者ではありません。
この記事が皆さんの合格に少しでも役立つことができれば幸いです。